考え方
私たちは、若者や子どもたちが安全かつ自由に物事を考え、創造力を働かせられる安全な環境を作ることは大人のとても重要な責任だと考えています。
そのような環境に若者や子どもたちが積極的に参加できること、彼らが創造力を駆使してよりよい環境や社会を追求するためにサポートすることが私たちが使っている“教育”という言葉の意味です。
私たちは、 “教育”とは、教える側が一方的に伝えるのではなく、若者や子どもたちが知りたい、学びたいと自ら思うことでその力を発揮するものだと思っています。私たちはその考え方に基づいて、プログラムを開発してきました。
特徴
私たちの“教育”が目指しているもの、それは若者や子どもたちが自発的に意見や立場の違い(コンフリクト)を平和的に解決するように学ばせることです。
三つのステップ
三つのステップを踏んでいくことで、若者や子どもたちが段階を追うごとに自発的に学ぶように促します。
INSPIRE – 気づかせる
暴力を使わずに意見や立場の違い(コンフリクト)を解決することができる、平和な社会を作ることができる、ということを学ぶことで、暴力を使わない方法(ノンバイオレンス)へ興味を持たせます。
MOTIVATE – 動機づける
自分をポジティブに捉えること、つまり自己肯定感(セルフエスティーム)の大切さを知り、自分と他人の価値を自覚させ、意見や立場の違い(コンフリクト)を平和的に解決する具体的な方法を学ぶことで、暴力を使わない方法(ノンバイオレンス)へ取り組む意欲を持たせます。
ENGAGE – 行動につなげる
積極的に暴力を使わない方法(ノンバイオレンス)を実現するために、具体的な行動につなげるように導きます。
また、その手法も独特のものです。 それは”ノン フォーマル”(形式的ではない)教育にベースをおいていること。私たちが大切しているのは大きく次の二つです。
二つの手法
また、その手法も独特のものです。 それは”ノン フォーマル”(形式的ではない=教師が一方的に教えるのではなく、若者や子どもたちの知りたい、と思う気持ちを引き出す)教育方法にベースをおいていることです。
若者や子どもたちが理解力をはぐくみ、クリエイティブで自立した個人へと成長してもらうことが私たちの願いです。そのために、二つの教育方法を重視しています。
INTERACTION – 双方向性
参加するすべての人が対話・コミュニケートすること。自分の意見を発し、人の発言をきちんと聞くこと。そこからまたコミュニケーションが広がり、視点が増え、世界が広がることを目指しています。
CREATIVITY – 創造性
参加するすべての人が創造力を働かせること。今までの形にとらわれず、自由に感情、ニーズ、願望などを創造力を駆使して表現することで新しい自分を発見し、自分の世界を広げることを目指しています。
三つのメインテーマ
私たちの教育テーマは以下の三つです。
私たちの“平和教育プログラム”のメインテーマは三つあります。この三つを学ぶことで、若者や子どもたちが社会的にも個人的にも変化・成長することを目指します。
三つのテーマについて学ぶことで、ネガティブ(否定的・消極的)な行動を改善し、ポジティブ(肯定的・積極的)な行動をとれるように、自然な変化を促します。
三つのテーマについての知識を身に着け、自分の考え方を発見し、見つめなおし、自分に何ができるのかを考え、自分の取るべき行動について自ら判断できるように促していきます。
セルフエスティーム
セルフエスティームは、ありのままの自己を尊重して受け入れる態度を表し、自己肯定感や自尊感情と訳されます。自分が自分であるがゆえにかけがえのない存在であり、素晴らしいと信じることです。それはまた、他人の存在を尊重することにもつながります。 私たちは、人間の感情とニーズに焦点をあてることで、若者や子どもたちのセルフエスティームの構築プロセスをサポートし、高めることを目指します。
コンフリクト マネージメント
コンフリクトとは、人間同士のちょっとした意見や考え方、立場の違いから論争、けんか、そして戦争まで幅広い状況を意味し、いたってネガティブな状況を想定される言葉ですが、実はコンフリクトにより新しい考え方を発見するなど、良くも悪くもなりうる中立的なものです。若者や子どもたちの今までの経験をベースにコンフリクトとはどういうものなのかを考え、どうすればよい結果につなげられるのか創造力を使って意見を出し合います。ここでキーになるのはコミュニケーションだと気づかせることを目標にしています。
ノンバイオレンス
暴力(バイオレンス)を無くすためには、それを知ることが何よりも大切です。 私たちは、バイオレンスをいじめやけんかなどの身体的・物理的なものだけでなく、心理的なものやサイバー、ネグレクトのようなものを含めて捉えています。 ノンバイオレンスとは一体どういうことなのかを、具体的な事例をもとに若者や子どもたちと共有し、自分たちに何ができるのか、創造力を働かせてみんなとともに考え、日常生活で「暴力のない平和な社会」への意識づけを目指します。
教育プログラム
私たちは以下の二つのプログラムを用意しています。
Schools For Peace(対象年齢:9-18歳)
学校内外で実施することを基本にした“平和教育プログラム”です。 若者や子どもたちに対して、“平和教育プログラム”の三つのテーマであるセルフエスティーム、コンフリクト マネジメント、およびノンバイオレンスを教えます。
このプログラムは若者や子どもたちが自分自身に加えて、自分の人生に関わる友人や大人たちのことを理解し、互いに尊重し、意見や立場の違いを平和的に解決することを手助けするためのものです。
45分×10セッションで構成されています。 修了後はDIPLOMA(修了証書)がスイス本部より発行されます。
Sports For Peace (対象年齢:9-18歳)
スポーツコーチングの場で行なうことのできる“平和教育プログラム”です。スポーツの要素であるチームワークとフェアプレーを学び、若者や子どもたちがスポーツを通じて自分自身に加えて、自分に関わる仲間や、大人たちのことを理解し、互いに尊重し、意見や立場の違いを平和的に解決する方法を学びます。
30分×10セッションで構成されています。 修了後はDIPLOMA(修了証書)がスイス本部より発行されます。